<解説>

2014年9月26日

情報商材商法の成り立ち

クレジットカード決済代行やコンビニ決済システムを活用して情報料を徴収し、PDFファイル形式や冊子のマニュアルを販売する情報商材の市場は、会員制サイトを運営していた高浜憲一氏と金儲けのマニュアル書の販売のカリスマ的存在で、十数億円の財をなしたと言われる菅野一勢こと、菅野秀彦氏が株式会社インフォトップ(現代表取締役 田中保彦氏)を設立し(後に持ち株会社インフォトップグループホールディングス株式会社=代表取締役笠浪哲司氏=を設立)、情報商材で稼ぐことを「情報起業」、自らを「インフォプレナー」と名付け、「初心者でもパソコンと携帯があれば簡単に稼げる」というような副業マニュアルを数多く販売することを通してアフィリエイターと呼ばれる成果報酬制のインターネット上の勧誘者を十数万人組織化することによって「巨大産業」となりました。

被害急増のメカニズム

追随する同業者が相次いで設立され、詐欺的な情報商材商法の広がりと共にトラブルも急増。解約や返金を求める全国の消費生活センターへの被害相談件数は3年で25倍にも増え、深刻な消費者問題に発展しています。
悪質な情報商材販売モールや情報商材制作業者の中には、情報商材をあたかも一般的な電子書籍(ebook)のダウンロード販売、インターネット出版、オンライン通販、のように仮装する業者もあり、国民生活センターは繰り返し注意を呼び掛けています。
また、情報商材詐欺の被害拡大は、アフィリエイト(提携)報酬目当てに、情報商材を購入した被害者が、今度は販売に加担する加害者の立場になるというマルチ商法に似たメカニズムが関係しています。
このようなことから、情報商材の詐欺的な販売については、販売者はもとより、メールマガジンやレビューサイトと呼ばれる商品の宣伝ブログを開設して、詐欺的な情報商材の勧誘に加担するアフィリエイターも詐欺罪に問われ、逮捕される可能性があると専門家は指摘しています。

「200億円市場」を十数社で分け合う

現在の情報商材市場は、ギャンブル、男女交際、アダルト、美容、医療関係の情報商材で業界一の売上高を誇る株式会社インフォトップ、金儲け関係の情報商材に絞ってここ2年で売上を十倍以上に伸ばした株式会社インフォスタイル・株式会社インフォスタイルジャパン、設立はインフォトップよりも古く、投資・利殖関係の情報商材を得意とするインフォカート株式会社の3社で年間200憶円といわれる情報商材の取引額の8割以上を占めており、その下に10社前後がひしめき合っている状況です。

消費者庁や経済産業省、警察庁も情報商材商法のトラブルについては把握しており、既に対応が協議されていることから、今後の国の情報商材被害を防ぐための施策や悪質な販売業者やASP、アフィリエイター自らのコンプライアンスの徹底や自主的廃業が求められます。

情報商材「年商」100憶円 最大手販売モールinfotopを調べてみました

次々に設立されるグループ会社、相互に就任、退任を繰り返すグループ役員

情報商材業界を作り上げたinfotopは、この4年でグループ企業を10社以上に拡大、ピラミッド型の組織を作り上げ、フリーターやニートといった社会からドロップアウトした若者やネットワークビジネスや組織営業でリクルーティングやシステム作りに長けた人材を巧みに取り込み、総帥の高濱憲一氏を頂点として、情報商材の制作者の勧誘、制作、宣伝、販売を、分業を図りながら情報商材の一貫した販売を貫徹させる複雑なシステムに練り上げ、「年商」100憶円の一大産業に仕立て上げました。
インフォトップグループホールディングス株式会社(代表取締役は前株式会社インフォトップマーケティング代表取締役で株式会社インフォトップ出版の取締役を兼ねる笠浪哲司氏、取締役は株式会社インフォトップ前社長で株式会社インフォトップ出版や株式会社インフォトップアカデミー、セカンドハーベスト株式会社の取締役を兼ねるグループ総帥の高濱憲一氏、株式会社インフォトップ取締役で株式会社ホットラインやセカンドハーベスト株式会社で代表取締役、株式会社インフォトップ出版、株式会社インフォトップアカデミー、株式会社インフォトップマーケティング、HW株式会社の取締役を兼務する情報商材界のカリスマと言われる菅野一勢=本名菅野秀彦氏)を持ち株会社として、情報商材販売モールとして年間100憶円を売り上げる事業会社株式会社インフォトップ(代表取締役田中保彦氏、取締役濱澤慎吾氏、菅野秀彦氏)やインフォトップのハウスエージェンシーである株式会社インフォトップマーケティング(代表取締役新田啓介氏、取締役菅野秀彦氏)、書店向け書籍出版の株式会社インフォトップ出版(代表取締役近藤清英氏、取締役高浜憲一氏、菅野秀彦氏、笠浪哲司氏、元株式会社インフォトップや株式会社インフォトップマーケティング取締役で、現在株式会社アシュラワークスの代表取締役を兼ねる野村勇樹氏)、情報商材ビジネスのセミナーを行う株式会社インフォトップアカデミー(代表取締役はグループ持ち株会社の代表を兼ねる笠浪哲司氏、取締役はグループ総帥の高濱憲一氏、菅野秀彦氏、株式会社インフォトップの取締役を兼ねる浜澤慎吾氏、株式会社インフォトップマーケティングの取締役を兼ねる新田啓介氏)が分担して情報商材の制作、販売、宣伝・マーケティングを担当、役員は相互に兼務し、強固なグループを形成しています。これら社名に「インフォトップ」を冠した直系企業のみならず、高濱憲一氏の共同経営者とも言える菅野秀彦氏が代表取締役を務める情報商材制作最大手の株式会社ホットライン(取締役鏑木大介氏、新田智之氏=株式会社インフォトップマーケティング代表取締役)、株式会社インフォトップと同じ住所に本店を置き、株式会社ホットラインの元取締役で合同会社サニーサイドの代表社員小島宏之氏が経営する美容・医療系の情報商材の大手制作業者株式会社きれい、同じく美容系情報商材を多数制作し、株式会社インフォトップと本店を同じ住所に置く株式会社インベサイド(代表取締役小島札大氏=HW株式会社取締役を兼務、取締役古川憲一氏)、利殖系の情報商材を制作する株式会社アシュラワークス(代表取締役野村勇樹氏=元株式会社インフォトップ、株式会社インフォトップマーケティング取締役)、情報商材制作者に場所貸しをする株式会社ウインズ(代表取締役黒川哲夫氏)、金儲けセミナー主催のセカンドハーベスト株式会社(代表取締役菅野秀彦氏、取締役高濱憲一氏、石田健氏、情報商材販売大手の株式会社ウイニングエッジの代表取締役を兼ねる中村司氏)、菅野秀彦氏、株式会社ウイニングエッジの中村司氏、株式会社インベサイド代表取締役の小島札大氏が取締役に就任するウェブ制作業者HW株式会社(代表取締役松浦康裕氏)、中村司氏が経営する株式会社ウイニングエッジ(取締役諸井太郎、中村舞子)など、取材の結果14社の関係会社が浮かび上がりました。また、最近はブライダルアルバムの制作や挙式や披露宴の通知・出欠確認等の支援サービス「ブライダル・メモリーズ(BRIDALMEMORIES)」、食品ECサイトの「ベストマート(BestMart)」等を開始させ、情報商材商法の収益を事業の多角化に注いでいる模様です。

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