日本経済新聞 2010年5月18日付 朝刊

2014年10月30日

「必ずもうかる」「結婚できる」  有料ネット情報 トラブル急増
「必ずもうかる」「ほかでは手に入らないノウハウ」・・・。インターネット上で過大な宣伝文句で勧誘する「有料情報」をめぐるトラブルが急増している。途中解約できなかったり、業者と連絡が取れなくなったり。昨年度は3年前の約25倍の相談が寄せられた。国民生活センターは「不確実なことを断定的に表現することは消費者契約や商品表示の観点から問題がある」として消費者に注意を呼びかけている。

ネット有料情報を巡るトラブルの相談件数 3年で25倍  消費者に注意喚起

 千葉県に住む30代の女性はインターネット上で「このマニュアルを実践すれば間違いなく結婚できる」と書かれた有料情報の広告を見つけた。広告には数々の結婚成功談が並んでいた。悩んだ末、マニュアルをクレジットカード払いで購入した。
 しかし、マニュアルの内容を1年実践したが効果はない。「1年試して恋人ができなければ全額返金する」と書かれていたため、業者側に返金を請求したが、業者側からは何の返答もなかった。
 大げさな表現で消費者に契約を結ばせる手法が多くの被害者を生んでいる。国民生活センターによると、全国の消費生活センターに寄せられた相談は06年度で37件だったが、09年度は937件になった。
 06~09年度の購入者の平均年齢は約40歳で、20~40歳代が全体の76.6%を占める。平均の購入金額は5万2千円。購入するのは「必ずもうかる」など金銭や収入に関するものや、恋愛や結婚、「必ず上達」といったスポーツや趣味についての情報が多い。
 消費者が購入した情報通りのことを実行し、宣伝通りの効果が得られないと分かったときに返金を求めても応じてもらえない、といった相談が目立つという。
 同センターはトラブル急増の背景について「不景気で収入が減ったため、こうした情報に手を出す人が増えたのではないか」と分析。「ネット上の情報は内容が確認できずリスクが高い。必ず販売者に連絡するなど慎重に対応してほしい」と話している。

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