ニッポン消費者新聞 2010年1月 1日付

2014年10月4日

「情報商材」トラブル急増 派手な宣伝文句、内容はお粗末
=東京都が緊急消費者被害情報
●「月収100万円」「2週間で妊娠」など氾濫
 「100%確実にもうかる」などの宣伝文句でインターネットを通じて販売されている「情報商材」でトラブルが急増している。東京都は12月16日、10倍を超すペースで相談が寄せられているとして、緊急消費者被害情報を出すなどして注意を呼びかけた。業者と連絡がつかなくなるなど解決が困難なケースも多い。
 都に寄せられた相談は4~11月までに66件で、前年度の7件から急増。契約金額は「5万円未満」が31件と最も多く、次いで「10万円未満」が17件。「中身が大したものではなかったので解約したい」「情報提供者と連絡が取れない」などの事例が目立った。
 20代の女性はネット広告を見て約2万円で購入。「カウンセラーが独自調査した秘密の内容で、一年経っても妊娠しない場合は返金する」と書いてあったが、実際に届いたのは誰もが知っている内容のコピーを集めたものだった。
 また、40代の女性は内職に関する情報商材を7千円で購入。PDFファイルで届いた内容は、個人情報を集めてリスト化し、それを無断で販売すれば儲かるというもの。都には「違法行為をさせられる」との苦情も寄せられている。
 情報商材は専門サイトや個人サイトで販売されており、支払いは振り込みやカードによる前払い。PDFファイルなどをダウンロードして情報を入手するが、「宝くじを買う」「消費者金融から金を借りまくり自己破産する」など詐欺まがいのものがあるという。販売サイトの広告には「簡単に儲かった」という成功体験談が繰り返し続き、「まもなく売り切れ」「先着20人のみ」などと購入を急がせるケースも目立つ。
 12月1日にネット通販への規制を強化した改正特定商取引法がスタートしたが、消費者庁取引・物価対策課によると「PDFをダウンロード購入する場合は商品ではなく役務(サービス)の提供に該当し、同法の対象外」。都は「情報商材は事前に内容を確認できないので気をつけてほしい」と呼びかけている。
【情報商材】 インターネットを通じて販売されているノウハウ情報。専門サイト、個人サイト、インターネット・オークションなどで売られており、個人が派手な宣伝文句で販売し、売れたらサイトを閉鎖するケースもある。以前は冊子やCDで届いたが、最近はPDFや映像・音楽ファイルなどをダウンロードするシステムが主流。競馬・パチンコ・株・FXの必勝法、内職、ダイエット、異性との出会い、裏情報などが主な内容。返金保証をうたうサイトでも、厳しい条件を設けている場合が多い。

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