朝日新聞 2010年4月26日付 夕刊

2014年10月21日

「2千万円稼ぐ方法教えます」 情報料商法トラブル急増
 年2千万円稼ぐ方法を教えます――インターネット上の広告で誘い、その情報料をクレジットカードや現金振り込みで支払わせる商法でトラブルが急増している。全国の消費生活相談窓口への相談数は2009年度は2月末現在718件で、前年同期に比べ2.5倍強だ。情報の内容は「肩すかし」も多く、返金に応じない例も目立つ。国民生活センターは安易に契約しないよう注意を呼びかけている。
 兵庫県の20代女性はメールマガジンの中に「年間2千万円稼ぐ方法」という広告を見つけた。「3カ月実行しても100万円以上の収入がなければ全額返金」とあったことから、「情報」をクレジットカード決済で5万円で購入した。
 だが、入手した情報は「人材派遣会社を開業し、紹介手数料を稼ぐ」というもの。役所への登録や開業資金で500万円以上必要なことが分かった。業者に返金を求めたが拒否され、連絡がつかなくなったという。
 別のケースの奈良県の40代男性もメールマガジンに、「○○するだけで毎日1万円稼げる方法」の広告を見つけた。○○の中身は伏せられて分からなかったが、「業務の提供がなかったら90日間は無条件で代金返却」とあり、カード決済で3万円を払って、情報のPDFファイルをダウンロードした。
 業務とは、指示された企業のサイトの誤字脱字などを見つける作業。指示通りに指摘したら、「すでに他の人が指摘した個所なので手当は出せない」と業者に言われ、報酬はもらえなかったという。
 情報をパソコンでダウンロードし、閲覧できる手軽さから被害が拡大。相談は06年度の37件から年々増え、この4年で1300件を超えた。平均契約額は約5万2千円で30、40代が6割を占める。
 同センターによると、「仕事を提供する」といって勧誘し、情報料を払わせる行為はクーリングオフの対象になるとして、「被害救済ができる場合もあるので、購入時の取引データなどを残し、最寄りの消費生活センターに相談してほしい」と話している。

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