●09年度「全額返金」にも応じず
「必ずもうかる金融商品の運用方法」「間違いなく結婚できる」などとインターネット上で宣伝して、顧客に有料で情報を売る「情報商材」をめぐるトラブルが多発している。国民生活センター(東京)によると「成果がなく解約したい」などの相談が、2009年度は全国で千件近くに上った。前年度の2倍を超す。不況を背景に副収入に期待を寄せる購入者も多いとみて、センターは注意を呼びかけている。
「2年間で5万円を1億円に変える。プログラム通りのことをやれば、誰でももうかる」
福岡県内の30代女性は昨年8月、外国為替証拠金取引(FX)に関するこんなインターネット広告を見つけ、パソコン専用ソフトを3万5千円で購入した。プログラムに沿って取引したが、1週間で10万円の損失を出し、同県消費生活センターに相談を寄せた。
同県の50代男性は、競馬予想情報の携帯電話専用サイト(50万円)に分割払いで申し込み、前金3万円を支払った。その後、「当たらないのでキャンセルしたい」と情報提供会社に申し出ると、解約料50万円を支払うよう迫られたという。
国民生活センターによると、このような「情報商材」をめぐる相談は、06年度に37件だったが、07年度157件▽08年度389件▽09年度には994件と急増。「金融商品取引で資産を増やすコツ」のほか「異性との出会い」「スポーツの上達法」「ギャンブル必勝法」などでトラブルが多いという。
06-09年度に寄せられた約1500件の相談のうち、約3割が30代。情報購入額の平均は約5万3千円だった。
具体的には「効果がなければ全額返金」と広告に表記していながら、返金に応じなかったり、連絡が取れなくなったりするケースがほとんどという。福岡県消費生活センターは「広告をうのみにせず、販売者と連絡がとれるか事前確認が必要。解約金などの支払いを迫られた場合は、センターや警察に相談してほしい」と注意を促している。 (吉田修平)