インターネット・ホットラインセンター
法律アドバイザー 森 亮二 弁護士

2014年9月23日

インターネット・ホットラインセンター 法律アドバイザー 森 亮二 弁護士

偽って宣伝する情報商材。
商品内容を知っていれば販売モールもアフィリエイターも詐欺罪に問われます。

——儲け話、株やFX等の投資、ギャンブル必勝法、最近では医療や美容に関するノウハウ情報を誇大広告や虚偽広告で売りつける商法が問題化しています。書店で売られている書籍や雑誌の記事を引用した程度の記事を実際の記事内容と乖離した派手な宣伝サイトで数千円〜数万円で販売し、返品には応じません。販売者や情報商材販売モールは詐欺にはならないのでしょうか? また、アフィリエイターは共犯に問われないのでしょうか?

 経済価値のないもの、重大な瑕疵があるもの、セールス上の文言と内容が食い違うものを非常にすばらしいもののように偽って販売することは、詐欺です。販売者が詐欺ということは、アフェリエイターがその実態を知りつつ宣伝をすれば詐欺の共犯になります。
もちろん、商品をちょっと大げさに広告して売ったぐらいでは、詐欺には問われません。程度問題になってくる部分もありますが、宣伝で書かれている文言と商品の内容が著しく乖離しているとか、経済的にほとんど無価値な情報商材を数万円で売るのは明らかな詐欺でしょう。

逃れられない刑事責任

——販売者はある程度、罪悪感を抱きながら、つまり犯意を認めながら情報商材を売っているきらいがあるのですが、アフィリエイターは罪の意識が希薄なような気がします。情報商材販売モールに至っては「場所貸し」と開き直っています。

 情報商材販売モールが商品内容や宣伝方法を知りながら、商品をアフィリエイターに宣伝させている場合には、情報商材販売モールも詐欺の共犯になりえます。
情報商材販売モールにしても、アフィリエイターにしても自分は直接の売主ではないから、責任がないと考えているかもしれませんが、詐欺罪の成立にはあまり関係有りません。
例えば銀行強盗の場合、拳銃を突きつけて脅す人、お金を袋に入れる人、表で見張っている人、みんな共犯であり、事情によっては共同正犯となるのです。それと同じように、詐欺全体の仕組みの中の、重要な一部を占めているのであれば、詐欺の共犯とか共同正犯とかになる。事情を知っている限り逃れられないのです。

——情報商材販売モールと販売者、アフィリエイターの責任の割合みたいなものはどう思われますか?

 例えばさっき銀行強盗の話しをましたけれども、見張りだったらちょっとしか関与してないような感じがするんですけど、見張りも共同正犯とかいうこともある。金品を奪う人と同じ量刑になることもあります。責任の重い軽いは、おおざっぱにいえば果たした役割の大きさできまるものです。

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