インターネット・ホットラインセンター
法律アドバイザー 森 亮二 弁護士

2014年9月23日

アフィリエイターの虚偽宣伝を黙認すれば販売モールは詐欺罪に

——情報商材販売モールは、いわゆるアフィリエイトサービスプロバイダ(ASP)としての機能も有しています。どのアフィリエイターがどの商品をどのくらい売り上げているかを把握して、彼らに報酬を支払っています。そうである以上、例えば高額な報酬を得ているアフィリエイターがどのような宣伝活動をしているか調べる管理義務が生じるのではないでしょうか。また、ある情報商材販売モールでは、その幹部や関係者が自らアフィリエイターとして虚偽の宣伝を行っています。アフィリエイターの虚偽の宣伝が詐欺罪になり得るなら、アフィリエイターを管理するASPでもある情報商材販売モールも共犯となり得るのではないでしょうか。

 民事的には、ASPにアフィリエイターへの監督義務が認定されることが有り得ます。これは、一般のASPについてもいえることで、情報商材に特化したASPである情報商材販売モールならばなおさら「虚偽の宣伝をさせない」という監督義務を果たしていないと認定される可能性が高いと思われます。

 刑事責任を問うとなると、原則としてアフィリエイターの虚偽広告(欺く行為)を認識している必要があります。「認識すべきであった」では不十分です。もっとも、情報商材に特化した情報商材販売モールは、多くの場合、虚偽広告を認識しているのではないでしょうか。

潜在的被害が大きければ、警察は検挙する

インターネット・ホットラインセンターのアドバイザーを務める森氏。ネット上の違法・有害情報問題に対する氏の提言は常に注目を浴びている。

——被害額が数千円〜数万円という低さから警察は被害が集まらない限りやりたがらないのではないかという専門家もいます。先生はどう思われますか?

 確かに1件1件は高額じゃないわけですが、組織的にやって被害者がたくさん出ていれば、検挙すべきでしょう。
無銭飲食でも詐欺で検挙して裁判にかけていますから、やる時はやると思いますよ。今検挙されていないから今後もされないということはない。

最近の顕著な例として、ネットの犯行予告があります。例の秋葉原の事件があって、その頃ちょうど洞爺湖サミットがあった。そしたらことごとく検挙しました。書きぶりから本当に犯行に及ぶつもりがあるのか疑問なものでも挙げられた。

——やればできるということですか?

 そうです。やればできるし、いつでもできる。国策捜査といえば別の問題になりますけれども、これはやるけどあれはやらないみたいな裁量の幅があるわけですよね。
これはある意味やむをえないところでもあって、「警察が怠慢だ」という話ではないのです。あらゆる法律が100%執行されている社会っていうのは警察国家のような、息苦しい社会になってしまう。だから、限られたリソースで何をやるかというのは警察も優先順位をつける。

情報商材の被害の1件1件の額は小さいけど今後広がりそうだとか潜在的な被害者が多いとかいうことになれば警察はリソースを投入してやっていくと思う。詐欺罪は親告罪ではないですから、やろうと思えば被害者が告訴しなくてもできる。

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