インターネット・ホットラインセンター
法律アドバイザー 森 亮二 弁護士

2014年9月23日

試していないのに「試した」と宣伝する時点で詐欺
流行りのレビューサイトもアウト。

——アフィリエイターが、詐欺商品であることを知っていた上で虚偽の文言で売り込めばアフィリエイターは詐欺の共犯となりますが、 では、内容をよく吟味していないにもかかわらず、「私が実際に試した」「購入して中身を検証」 「私もこの3カ月24戦21勝で300万円儲かりました、保証します」 「私の場合は、先月873,067円の入金がありました。」 「この情報は確実にもうかります」などと紹介していた場合、民事的にはともかく、 刑事的に詐欺罪に問われる可能性はあるのでしょうか? 一般常識で考えれば、いくら中身を知らなかったと言っても、よく分からないものを、絶賛のセールストークで 紹介するのは問題だと思います。

 そもそも、試してもいないのに、「試した」「検証した」「3か月で300万円儲かった」などと言うのは、意図的に虚偽の発言をしているわけですよ。対象者を騙して情報商材を購入させようとしていることには変わりがないから詐欺罪が成立する可能性は否めません。

——アフィリエイターは「レビューサイト」と言われるブログなどで「私が実際に試した」「優良商材ランキング」「購入して中身を検証」などとうたって誇大広告・虚偽広告の情報商材を推奨しています。
最近では「詐欺商材を斬る」とかうたってライバル業者のインチキ商品を貶して自分の関係する同じようなインチキ商品を評価して推奨する手の込んだケースも出てきています。ひとりのアフィリエイターがこのようなブログをたくさん作っていることもあります。これなども民事上の共同不法行為だけではなく刑事責任を問えるのでしょうか?

 被害を拡大させている点で一緒だと思うんです。あとは実態を知っていたかどうかということになります。内容がスカだと知りながら宣伝したら詐欺の共犯と認められる可能性があります。

——自分が購入したインチキ情報商材をネットで転売するようなケースもあります。この行為も詐欺に問われる可能性があるのですね?

 そうです。情報商材の転売の問題を著作権侵害の問題としてとらえている新聞記事を読んだことがありますが、ここでは著作権侵害よりも重大なことがあります。
仮に情報商材を転売する際、この情報商材が経済的価値が低いこと、セールス上の文言と内容が著しく食い違うことを隠して転売すれば、今度は転売した人が詐欺に問われる可能性があります。

——じゃあ、仮に転売するなら、「当たらない必勝法です」とか「販売サイトの通りには稼げないマニュアルです」とか「実現不可能なダイエット法です」とか言って売らなければならない?

 そうです。自分の被った経済的損失を誰かに転嫁したい気持ちはわかりますが、他人をだまして売りつけてはいけません。

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