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法律アドバイザー 森 亮二 弁護士

2014年9月23日

悪質業者の常とう手段「小さい但し書き」で法的責任は免れない

——「必ず儲かる」とか「必ず痩せる」「的中率100%」など断定的な表現が入っていれば、販売業者の違法性を問えるとのことですが、最近の情報商材の販売者は巧妙で、例えば半年、一年の膨大な的中結果や利益の表を掲載したり、「これまでマイナス収支は一度もない」というような文言を多人数の体験談の形式で掲載したり、「6か月実践して儲けが出なければ返金保証」などと全体的に見れば消費者に断定的な効果をもたらす表現をしている広告が増えています。また、断定的な表現を散々用いながら、販売サイト内の一部に小さい文字で「投資は不確実なので将来の成果を保証するものではありません」「投資はリスクがあるので当社は責任を負いません。ご自身の判断で」「収入には個人差があります」などと書いているケースが目立ちます。このような行為で販売者の法的責任は免れるのでしょうか?

 事例ごとの判断になりますが、全体として騙すような表現になっているかどうかが重要です。
大きく誇大広告を書いた上で、小さく隅の方に「リスクがあります」と書いただけで、誇大広告がなかったことになるとするのは無理だと思います。

——情報商材ビジネスの法的問題、そして民事事件や刑事事件になった場合の展開が良くわかりました。

 それは良かったです。少なくとも訴訟になれば、私が申し上げたようなことが一つ一つ、ルールメイクされていくはずです。被害者に対し、過失相殺はすると思いますけれども、「全く返さなくていい、これはノーマルな商売だ」ということにはなりませんので、被害者は泣き寝入りせず是非やっていただきたいと思います。

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