元を取り返すために深みにハマる
情報商材と出会い系詐欺の共通点
——先生が訴訟で扱っている逆援助交際出会い系サイトと情報商材の被害者の心理は似ているように思います。
私が担当した案件をレポート(リンク:PDF)にまとめているのですが、逆援助交際出会い系サイトというのは、会ったらお小遣いあげますというやつ。1回連絡を取るごとにポイントを購入しなければいけない。で、ポイント代がまだ2、3万円くらいだったら引き返せるけど、10万円くらいに膨らんでくると、相手と会ってお金を受け取らないと困るなということで、引っ込みがつかなくなるわけですよね。そしてどんどんポイントを購入する羽目になる。
業者のサクラも巧みで、さも会えそうな話をするわけですよ。例えばどこそこの駅前の何とかの喫茶店で待ち合わせよう、なんて具合に非常に具体的に指示してくるんです。本当はそんなのグーグルで地図を引っ張ってくればすぐ分かるんですけども、その喫茶店のこっち側のところで立って待ってるから、ということを言うから皆信じてしまう。でも結局出会えないわけですよ。その連絡を取ってる間にもポイントはどんどん減っていくわけ。だから何十万円という額を使ってしまうと、この人と会ってデートしたいとかいうのではなく、会ってお金を受け取らないと大変なことになるというので、どんどんどんどん深追いして行くんですよ。
情報商材の方は、要するに、普通の書店なんかでは手に入らないような、秘密の素晴らしい情報がありますよということを暗に示していて、でもいざ蓋を開けてみればそんな凄い情報でも何でもないと。それに見合わないような金額を取っていると。パチンコ攻略法の被害については私の事務所でも何件もやってますけど、それと情報商材は一人ひとりの被害額は少ないですが同じですよね。全体としてみれば詐欺ですよね。
ギャンブルやFXの必勝法なんかもそうですけど、嘘がいっぱいあっても、中には本物があるんじゃないかと思って、それをあくまでも追い続けるという心理になるんですよ。きっと本物はどこかにあるんだと。これまで投じた情報料の元を取り返さなければと。そしてうまくいった体験談なんかも散ばめられているから、そういう体験談を信じてしまう。
そんなの「うちは一切サクラはありません」とか言う出会い系と同じなんだけど。あとは引っかかっても恥ずかしくて人に相談し難いというのも共通しているでしょうね。出会い系なんかの場合、業者の騙しが上手いというのもあるし、少なからず携帯電話の小さい画面を見続けると、視野までも狭くなるのか、そんな効果があるんじゃないかと思いますけどね。