「ネット詐欺」騙す側、騙される側の心理学 情報詐欺の深層

2014年10月4日

■他人に販売サイトを見てもらおう

最後に、情報商材詐欺のような手口に騙されない、巻き込まれないようにするには、どうしたらよいか考えてみましょう。
目標や目的意識のはっきりしている人、自分が何を目指しているのかを明確に持っている人は、騙されにくい要素があります。
それから、良好な人間関係を築いている人。それは、知り合いが多いとか、メル友が大勢いるということではありません。1人でもいい、何でも相談できる友達や兄弟などがいるということです。
詐欺的なものというのは、第三者から見ればそれがいかにおかしなものかがすぐにわかるような手口が少なくありません。それに、他人に説明することによって冷静さを取り戻すこともできます。
冷静になってよく考えてみれば、『そんなうまい話があるわけがない』と気付くことも少なくない。情報商材を購入しようとしている人は、その販売サイトを知人や家族に見てもらうことも有効でしょう。

聞き手のほうも、落ち着いて話を聞くことです。頭ごなしに『そんなのはインチキだ、騙されているんだ』などと言っては、かえって逆効果です。『そんないい話があるんだ。もっとよく聞かせてよ』という感じに、相手の頭を冷やすような聞き方をすることが大切です。
先ほどの認知的不協和のところで例に出したような、何度も騙されてしまうような人というのは、誰にも相談せずに自分ひとりで決めてしまっているケースがとても多い。「自分は騙されない」という思い込みがあるから、ほかの人に相談するということがないわけです。
それから、『喜びのある生活』を目指すことも大切でしょう。やはり前に言ったように、詐欺師はターゲットの心の隙をついてきます。だから、心が充実していて、ゆとりがあればそれだけ騙される隙がなくなるわけです。
別に大それたことをする必要はありません。自分だけの趣味をもつとか、そうしたことだけでも、精神的なゆとりが生まれます。それに、何かに打ち込んで積極的に行動している人は、具体的な目的がはっきりしているので、詐欺師のかかげるようなあいまいで実態のない話に耳を傾ける可能性は低くなると考えられるのです。

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