「ネット詐欺」騙す側、騙される側の心理学 情報詐欺の深層

「必ず儲かる」「絶対に痩せる」「病気が治る」「万馬券的中」「彼女が出来る」
なぜ人はバカげた誇大広告に騙され、何万円も払ってしまうのか?
被害の急増に国民生活センターや各自治体も次々と警鐘を鳴らすなか、心理学者の富田隆先生に「情報商材」加害者と被害者のココロを解き明かしていただきました。

富田 隆(とみた たかし)

上智大学大学院文学研究科博士課程修了。駒澤女子大学人文学部教授。人間の心を情報処理系として捉える認知心理学を専門とする。人間の深層心理に多方面からアプローチを加える手法は、多くのメディアから注目を集めている。『「なりたい自分」に出会える本』(2004年成美堂出版)、『詐欺の心理学』(2004年KKベストセラーズ)、『決定版! 悪魔の心理ゲーム』(2006年河出書房新社)ほか著書多数。


ネットワーク利用の犯罪検挙件数(警察庁統計より)

ここ数年の犯罪検挙の傾向を見ると、インターネット関連の詐欺が増加していることがわかる。
2008年度版の『犯罪白書』によれば、ネットワーク利用犯罪のうち、詐欺は全体の38.6パーセントを占めている。そのネット関連詐欺の検挙数は、2004年頃までは500件台だったものが、2005年度には1400件を超え、以後、毎年1500件台で推移している。

ネット詐欺などと呼ばれるこれら事案の代表格はネットオークション詐欺で、ほかにもSNSや出会い系サイトなどを悪用したものも少なくない。そうしたネット詐欺は、これまで摘発が難しいとされていたが、その状況に警察も厳しい姿勢で臨む傾向が現われている。

たとえば、今年の1月13日、警視庁と宮城県警は、東京・新宿区歌舞伎町の出会い系サイトの経営者らを詐欺容疑で逮捕した。その出会い系サイトの業者たちは、「サクラ」と呼ばれるスタッフを使って男性利用者を欺き、利用料として現金を騙し取っていた。

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カテゴリー:情報商材詐欺の深層 | 2014年10月4日