アフィリエイト市場規模と可能性
アフィリエイトの市場規模は、その誕生以来、拡大を続けている。
NTTデータ経営研究所の調査によれば、ブログなどの運営者の内、34.6%がアフィリエイトプログラムに参加した経験を持っている。また、アフィリエイトを活用している大手ECサイトの中には、アフィリエイト経由の売上が30〜40%になるところもあるという。
世界金融危機で広告業界が不況に陥る中、インターネット広告分野だけは業績が堅調だった。特に、アフィリエイト広告分野は、広告費のコストパフォーマンスを考えるスポンサーから好感され、業績を伸ばしている。
矢野経済研究所によると、2008年度(2008年4月〜2009年3月)のアフィリエイト市場規模は、PC向けアフィリエイトが521億5,000万円(前年度比 117.3%)、携帯向けアフィリエイトが291億6,000万円(前年度比125.7%)である。
将来の見込みについては2009年度(2009年4月〜2010年3月)の総市場規模が949億円(前年度比116.7%)となり、2012年度(2012年4月〜2013年3月)には1,235億円(前年度比106.0%)に拡大するとの予測を行っている。
また、同研究所が行った2009年に行った別調査では、企業がウェブサイトの集客手段として、最も取り入れているものがアフィリエイトということも判明している。
企業がスポンサーとしてアフィリエイトに注目するのは、リスクの少ない広告モデルだからだ。
アフィリエイトというのは成果報酬型だから、基本的に売上が発生した時点で広告費が支払われる仕組みになっている。つまり、売上が立たなければ広告費も発生しない仕組みの広告形態なので、費用対効果に優れている。
アフィリエイトによる宣伝効果をより高めるために、ただアフィリエイト広告を出稿するだけでなく、アフィリエイト用の専用サイトを立ち上げて、実力のあるアフィリエイターをリクルートするスポンサーもあらわれている。また、報酬額を増額するといったインセンティブを用意して、さらなるアフィリエイターの活動を促すといった施策も打たれている。
アフィリエイターの側も、積極的にアフィリエイトを通した売り込みをしていこうという営業意識が高まっている。片手間でアフィリエイトに取り組んでも結果は出ない、一つのメディア媒体としてインターネットユーザーに認知されるような高品質のサイトを作る必要があるということが認識されるようになった。
ASPもスポンサー、アフィリエイターそれぞれに対して、アフィリエイトへの取り組み方を伝えるセミナーを開催するといった啓蒙活動に力を入れるようになってきている。また、積極的にアドバイスを行うコンサルティング業務に力を入れたり、スポンサーとアフィリエイターのマッチングも行うなど、活動の幅を広げている。