アフィリエイトが盛んな分野
アフィリエイトが盛んな分野は、やはりアフィリエイターにとって報酬条件が良い分野になる。金融、化粧品、健康食品・健康グッズ、情報商材、アダルトといった分野である。
金融では、証券会社の口座開設者を獲得するプログラムが、最も活気があるアフィリエイトの一つだ。特にFX口座の開設者獲得プログラムは報酬単価が5000〜10000円と高額。FX自体の人気も高く、申込者を獲得しやすいこともあり、毎月100〜300万円単位の報酬を稼ぎ出すアフィリエイターも少なくない。
検索サイトで「FX」を検索すると、たくさんのFX業者比較サイトが表示されるが、その多くはアフィリエイトサイトである。中には比較サイトと謳いながら、コンテンツの中身は薄く、アフィリエイトプログラムのリンクを踏ませることだけを目的とした質の悪いサイトも混じっている。
また、公正な比較サイトに見えるものであっても、実際には利益を第一に考えてつくられたアフィリエイトサイトであることも多いので、比較サイトや商品の紹介サイトに書かれている記事を鵜呑みにすることは危険であり、注意をする必要がある。
例えばFXのノウハウ書を推奨する過去の華々しい投資成績が掲載されているとしても、アフィリエイト報酬を目的とした誇大(あるいは虚偽)宣伝である可能性が高い。
「100%の勝率で、毎月25%以上の利益を得ていく方法」とうたい、投資ノウハウ書を販売し、顧客にFX取引口座を開設させていたアフィリエイターの男とFX取引業者に2008年10月16日東京地裁は共同不法行為を認め賠償金の支払いを命じる判決を下している。
このようなノウハウ書は情報商材(情報教材)と呼ばれ社会問題となっている。
「私も登録翌日に報酬が振り込まれました」「6ヶ月で的中率90%でした」などとネズミ講まがいの儲け話や詐欺まがいのギャンブル必勝法などを多くのアフィリエイターがブログなどで自分の体験談として宣伝したり、ランキング形式で「お奨め情報」などと掲載し客観的な記事を装って売り込んでいる。
このようなアフィリエイターが自己の報酬のために消費者の利益を損ないかねないアフィリエイト活動をするケースは少なくなく、健康食品や民間療法、ダイエット法やグッズを比較して紹介するサイトの場合、リスクや不確実性、科学的根拠の希薄な点などについては触れず、効能や成功した体験談のみを掲載する傾向があり、中には薬事法に抵触する例も散見される。
このような人体に関わる商品の場合、体質や症状によって服用や実践してはいけない場合もあり、消費者は医師に意見を求めるなど自分で情報を検証し、吟味する新たなリテラシィが求められている。
アフィリエイトの誕生以来、代表的な金融アフィリエイトプログラムであったクレジットカードの新規申込者獲得プログラム、消費者金融の融資申込者獲得プログラムは、法改正で個人の信用枠に対する規制強化がなされたため、下火となった。
撤退する業者が相次ぎ、かつて10000円を越えていた報酬単価も1000〜3000円程度に落ち込んでいる。
化粧品は、扱える商品数(アフィリエイトプログラム数)が非常に多く、商品間の競争が激しい分野だ。化粧品そのものを販売する形式のアフィリエイトプログラムだけでなく、商品単価1000円前後のお試しセットや無料サンプルセットの申込み者を獲得するものも存在する。
サプリメント、ダイエット食品、エクササイズマシンといった健康食品・健康グッズは、報酬単価が販売額10〜20%と高額な商品も多数存在しているため、アフィリエイトが盛んな分野となっている。多くのECサイトが独自にアフィリエイトサービスを運用しているのも、この分野の大きな特徴だ。
「ケンコーコムアフィリエイト」のアフィリエイター登録数は、2009年秋に8000人を超えた。
「有益な情報」と称して、PDFファイルなど電子媒体で情報を販売する情報商材もアフィリエイトが盛んな分野だ。
情報商材(情報教材)とは、ネットビジネスのやりかた、株投資のやり方といったお金に関する情報から、痩せるためのノウハウ、モテルためのノウハウなど、文字通り「情報」を商品としたものである。
商品は主にPDFファイル形式で消費者に提供される。商品自体に在庫や流通コストがかからないため利益率が高い。そのため、アフィリエイト報酬も20〜80%ときわめて高く設定されている。
しかし、商品の品質に差が大きく、明らかに商品単価に見合わない商品が多く、問題の多い分野だ。誇大広告に流れがちであり、消費者問題を専門とする弁護士らは明らかな詐欺商法だとして警鐘を鳴らしている。
情報商材には、勧誘商法も多く見られる。国民生活センターでは、情報商材を通して「絶対に儲かる」などと謳った虚偽の商売に勧誘し、開業資金や高額なウェブサイト作成料などを騙し取る悪質な勧誘商法が横行しているとして、強く注意を促している。
同センターでは、ネットでの勧誘商法に関する相談件数が近年増えている。2008年度から2009年度にかけては、相談件数が3.5倍に急増した。
「確実に収入が得られる」「確実にモテる」「返金保証で安心」等の情報販売モール(ASP)で販売される情報商材に関する相談件数は、2006〜2009年度で1,301件である。更に2009年度は718件と2008年度268件(前年同期)と比較すると倍増しており、相談件数は年々、増加している。
また、こうした情報商材アフィリエイトの問題をさらに加速させているのが、情報商材レビューブログの体裁をとったアフィリエイトサイトだ。これは、「詐欺商材を告発!」などと銘打ちながら、その実、詐欺商材を持ち上げて購入を誘い、消費者被害を拡大させている。販売者だけでなく、アフィリエイターであっても刑事事件として詐欺罪に問われる手法が蔓延しており、まさに情報商材のアフィリエイトは無法地帯と言える。
「詐欺商材を告発」「情報商材相談所」「情報商材を暴露」「良いものだけを紹介」…これらは全て詐欺的な情報商材を巧みに勧誘するための悪質アフィリエイトサイト。