消費者向け電子商取引の現状と広告表示の問題点

2014年2月10日

消費者向け電子商取引の特徴

国内最大規模のオンラインショッピングモール、楽天。出店数は3万を超え、流通総額は8000億円弱。

 次にeコマースにはどのような特徴があるのか。ここでは主に店舗販売と比較して4点にまとめたい。

第一は、取引の非対面性である。このことは事業者・消費者の双方に、店舗開設費や訪店に要する交通費といったコスト削減効果や、陳列スペース等の制約から店舗販売ではカットせざるを得ない商材も販売が可能になるといった、いわゆるロングテール効果をもたらしている。
一方で、商品の現物を確認することができない、商品が届かない・代金が支払われない、なりすましによるフィッシング詐欺といった問題も生じやすい。

第二は、事業参入と退出の容易性である。多額の初期投資となるうえ閉店時には埋没費用となりやすい店舗開設が不要なeコマースでは、少額の資金での事業開始が可能であるとともに退出も容易となる。
これは価格競争など市場への競争圧力が高まるという点では消費者にとっても望ましいことであるが、一方で、悪質な事業者の参入や、事業不振から夜逃げ同様に姿を消す事業者が増加しやすいという問題も生じやすい。

第三は、ウェブ2.0といわれることもある情報の双方向性である。消費者サイドからの情報発信はインターネット上の情報量を飛躍的に増大させ、事業者にとってはアフィリエイト広告など広告手法の多様化を、消費者にとってはクチコミサイトなどを通じた情報収集力の増大というメリットをもたらしている。
一方で、膨大な情報の真偽の判断や、匿名性の高い情報では発信者の特定が難しくなるというデメリットも存在する。

第四は、情報のデジタル性である。従来の店舗販売やカタログ通信販売における紙や口頭ベースでのコミュニケーションと異なり、デジタル情報は検索や加工を容易にし、顧客情報の収集や蓄積も容易にし、マーケティング手法を多様化させる。
一方で、収集した情報量の多さゆえに顧客情報の漏えい時の問題は大きくなりやすく、過去の情報がネット上を漂流し続ける、情報の真偽を問わず安易なコピー&ペーストが増加するといった問題も生じやすい。

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