消費者向け電子商取引の現状と広告表示の問題点

2014年2月10日

市場規模と販売形態の概要

消費者庁。消費者安全課、取引・物価対策課、表示対策課、食品表示課、計4つの執行部門を擁する消費者行政の要だが、人員不足の声も

はじめにeコマースやその関連市場の現状について、公表資料をもとに概観しておく。

経済産業省の「電子商取引に関する市場調査」は、物販・デジタルコンテンツ・金融サービスなどあらゆる国内企業の消費者への販売額からeコマースの市場規模を推計している。
昨年公表された最新の平成20年度調査によると、2008年の市場規模は前年比13.9%増の6.1兆円に達しているが、店舗販売やカタログ通信販売など消費者向けの販売市場全体に占めるシェアは1.8%にとどまっている。
このことからeコマースは順調に市場が拡大しており、今後とも成長の余地が大きいと考えられる。

総務省の「情報通信利用動向調査」(リンク:PDF)は、全国の約6千世帯に対して郵送調査からインターネットやeコマースを含む情報通信の利用動向を把握している。
昨年公表された最新の20年度調査によると、調査時点の平成21年1月現在、1年以内にインターネット経由で商品・サービスを購入した者の比率はパソコン経由で45.5%、携帯電話経由でも30.1%に達する。
そして利用経験者が回答したeコマースを利用する理由としては、営業時間の制約や訪店の手間がない、商品検索や価格比較が容易といった利便性を挙げるものが多く、逆に利用しなかった者が回答した利用しない理由としては、実際に商品を見たい、商品の受領や返品で信頼できない、個人情報の保護に不安といった、eコマースに対する不信感を挙げるものが多かった。

インターネット広告市場の伸張
「日本の広告費」(電通2009年調査より)

また電通の「日本の広告費」(リンク:PDF)によると、インターネット広告市場の急成長が著しく、最新の2009年調査では総広告費に占める割合は11.9%で、テレビと新聞広告市場に次ぐ規模となっている。これはキーワード検索連動型広告やアフィリエイト広告など広告手法の多様化がその一因であると考えられる。


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