情報・サービスの販売における不当表示例
物販と比較して、近年とくにトラブルが急増しているものが情報商材である。東京都庁の消費生活情報サイトである「東京くらしWeb」に詳細が掲載されているが、ここでいう情報商材とは、インターネット上で販売される儲け話や副業、プラチナチケットの入手方法などのノウハウのことである。
情報商材は安易に情報が得られるが、購入者が事前にその内容を確認できないため事業者の広告表示を信頼せざるを得ず、トラブルが生じやすい。また売買契約に絡む関係者が売り主だけでなくウェブサイト運営事業者や信販会社、海外の決済代行会社など複数にわたり、被害救済が困難になりやすい傾向がある。
また、類似のトラブルとしてサービス提供に関わるものもある。個人のブログやホームページを利用した成果報酬型のアフィリエイト広告や、仲介業者的に商品を販売するドロップシッピングといったインターネットを利用した副業がはやるにつれて、これを悪用されるケースが増加している。
国民生活センターのウェブサイト(リンク:PDF)に詳細が掲載されているが、「確実に商品が売れる」などと不当な勧誘をされ高額なウェブサイト作成料やサポート代金を支払ったが、事業者が提示していた収入が得られなかったり、その対価に見合ったサービスが提供されなかったりするものである。
ところで動画やゲーム、コミックなどを含むデジタルコンテンツは、物販と異なり現物の宅配を要せずオンライン上で売買が完結し、印刷等の多額の媒体作成コストが不要なため少部数の流通でもペイするというメリットがあるにもかかわらず、市場規模はいまだ十分とはいえない。
これは有料のデジタルコンテンツが、動画配信やQ&Aサイトのようなインターネット上を浮遊する莫大な無料コンテンツに埋もれているからだと考えられる。
無料コンテンツの品質が保証されていないことは言うまでもないが、有料コンテンツでも上記のようなトラブルが続出しているようでは、この市場が顧客の信頼を得るのにはまだ時間がかかるのかもしれない。