教育現場からネット企業への苦言提言 子どもの心身と財布を狙い撃つインターネットコンテンツ 押し寄せる「情報公害」から我が子を守るために

2014年7月27日

子どもへの課金ビジネスが抱える危険性

業界2強のモバゲータウンとGREE。ミニゲームのアイテム獲得やアバター着せ替えなどに、サイト内の仮想通貨を使用させるシステム

 また、さまざまな詐欺事件もある。メールによる架空請求、アダルトサイトや出会い系サイトへの誘導による高額課金、「無料」をうたう懸賞や占いのサイトが実は有料であったというようなもの等、手口は多様であり、子どもが数万円から十数万円の請求を受けることは珍しくない。

 さらに、詐欺とは言えないかもしれないが、「無料」として宣伝されているゲームサイトで、ゲーム内で使用する武器やアクセサリーといったアイテムが有料で販売されている例があり、携帯電話の公式課金システムで月に数万円から十数万円が請求されるといった相談が、消費生活センター等に寄せられている。
この件については携帯電話事業者が課金額に上限を設けたり、サイト運営事業者が宣伝方法を改めたりといった策はとられているが、子どもを対象としたネットビジネスのあり方が問われる問題であることは確かである。
 以上のように、ネットには「情報公害」と呼ばれるべき多くの問題が生じており、子どもたちは「情報公害」の弊害に脅かされている。政府や業界によってさまざまな対策がとられているものの、次々と新しい問題が生じてしまう。

 今後心配なことの一つが、「情報商材」に関するトラブルである。情報商材とはネットを介して売買される情報のことで、「○日間で○円稼ぐ方法」「確実に痩せる方法」等、さまざまな情報が売られており、情報商材の販売で起業することが注目されているとも言える。
だが、この情報商材は、その性質上、購入してみなければ内容がわからないことから、トラブルが多い。2009年12月、東京都は緊急消費者被害情報として「『情報商材』のトラブル急増!! インターネットで販売される儲け話、内職情報にご注意」という発表を行っている。これによれば、「100%稼げる堅実なビジネス」(4万円で購入)が出会い系サイトを紹介するものであったり、「2週間で誰でも妊娠できる秘密の情報商材」(約2万円で購入)が「誰でも知っている内容のコピー」であったりするという。
現状で子どもの被害はあまり報告されていないようだが、こうした悪質な商法を野放しにしていたら、今後子どもが被害に遭うことが増える恐れがある。

カテゴリー:情報公害 |