子どもの生命と生活を脅かす「情報公害」
では、現状で「情報公害」がどのように子どもを脅かしていると言えるのかを具体的に見ていこう。
まず、売買春、淫行、児童ポルノといった福祉犯に関わる問題が深刻である。1990年代から、「援助交際」という名の売春(もしくはそれに近い行為)が問題になっていたが、ネット接続可能な携帯電話の普及以降、携帯電話による出会い系サイト利用が児童買春につながることが多くなった。
出会い系サイト規制法によって18歳未満の出会い系サイト利用が禁止され、2008年12月からは同法改正により年齢確認の厳格化が義務づけられたこと等によって、現在ではSNSやプロフといった非出会い系サイトを介した売買春や淫行事件が問題となっている。
児童ポルノに関しても、子どもが騙されたり脅されたりして裸の写真や動画を撮影されたり、子どもが自らの写真を売ってこづかい稼ぎを企てたりといった事件が起きている。
ネットでの中傷に関わっても、多くの事件・トラブルが起きている。悪口や虚偽情報の書き込み等による「ネット上のいじめ」、プロフでの書き込みがもとになった暴力事件、ストーカー事件、殺人事件が起きている。不用意な発言から掲示板やブログに非難が集中する「炎上」、殺人や放火等の予告等もある。