子宮筋腫、子宮内膜症/子宮筋腫などの 婦人病でお悩みのあなたへ

問題事例5 子宮筋腫篇

刊行物の体をなさない構成・文章で 確信犯的に女性の不安を煽る一冊

検証した情報商材

販売モール 株式会社インフォトップ(代表取締役 田中保彦)
制作業者 株式会社メガプロモーション
運営統括
責任者
上田浩之
製作
編集管理者
渡辺多加子
所在地 福岡県福岡市博多駅南1-9-8
ケイアビル5F
電話 03-5295-5701
E-Mail office@womanstyle.silk.to
価格 ¥14,800
URL http://www.eddge.noob.jp/woman/
情報商材
人間本来のメカニズムに従った方法により、1週間で8センチの筋腫をなくした

サイトの宣伝文句にモノ申す!

「子宮筋腫」って、こういうものです。

 今回の商材のテーマ・子宮筋腫とは子宮にできる腫瘍のことだが、まずは子宮筋腫について軽くご説明しておくのがいいと思う。関東労災病院 産婦人科勤務の板橋香奈先生に話を聞いた。

「子宮は平滑筋という筋肉でできた伸縮性のある袋状の臓器で、この“筋肉の袋”にできる腫瘍が子宮筋腫です。これは良性の腫瘍で、ガンなどとは違い、生命に関わる可能性はほぼないといえます。実際、筋腫ができても何の症状もなく、気が付かずに過ごしている人もたくさんいます。

 自覚症状の有無は、筋腫のできた位置や大きさによります。妊娠・出産についても問題なくできるケースが多く、逆に、筋腫があったら妊娠は不可能なんて絶対に言えないということです。原因は、完全には解明されていませんが、2種類ある女性ホルモンのうち卵胞ホルモン(エストロゲン)に依存して成長すると考えられています」

 あくまでも子宮筋腫の説明のほんの一部だが、ここでご理解いただきたいのは、とりあえず以下の3点。

◆良性の腫瘍で、がんにはならない。
◆命に関わるものではない。
◆妊娠や出産も可能。

 これを踏まえて、販売サイトの検証に進みたい。

絶対に不可能な方法

「これは、ありえませんね」
販売サイト冒頭の大キャッチ、『その8センチの筋腫がなくなるまでに回復させることができた・・・(原文まま引用)』に対し、板橋先生は「絶対に不可能」と断言する。

「現代医学で筋腫を完全になくすには手術で切除する以外に方法はありません。もともとが小さな筋腫なら薬剤で“見えなくなるくらいまで小さくする”ことはできるでしょうが、それでも消えてなくなることはありえません」

 販売サイトで、商材の著者・渡辺多加子氏が自身の体験として語っている内容は次のようなものだ。

『手術は絶対にイヤと言い続け、ある先生のアドバイスを具体的な方法に変えて実践した結果、もう手術の必要はありませんと診断された』、それが『8センチの筋腫がなくなる』こと。

「つまり“少なくとも手術以外の方法で8センチの大きな筋腫が消えた”ということは、この段階で渡辺氏が言う『子宮筋腫を改善する方法』は、医学的見地からも、人間の体のメカニズムからも不可能な理論だと断定できます」(板橋先生)

いやでも感じる「意図的な悪意」

 こうした根本的な問題に加え、サイト全体を通して大変気になった点を挙げておきたい。

『これからの女性としての幸せを あきらめてしまうなんて、絶対にもったいないです』

『将来子供が産めなくなるのではないかという重苦しい不安』

 妊娠・出産の不安を煽るような表現が、随所に出てくる。これについて板橋先生は次のようにいう。

「筋腫のできる場所によっては妊娠しづらいケースも確かにあります。でも、子宮筋腫があったら妊娠・出産できないわけでは決してなく、逆に、多くの女性が筋腫を持ちながら妊娠・出産しています」

 サイトには、『出産のことを不安に思った渡辺氏が子宮筋腫についていろいろ勉強した』という内容も書かれている。

 筆者自身もそうだが、インターネットでほんの少し調べれば、子宮筋腫があっても妊娠・出産は可能な場合が多いことはわかる。ましていろいろ調べた上であれば、意図的に不安をあおるのが目的としか思えない内容に仕上がっている。

商品(情報商材)を医学的に検証してみた

 章立てなしの全108ページ。この商材、構成、文法、誤字脱字のチェックが全くなっていない。悪徳商材の典型的パターンとはいえ、同じ内容の表記が繰り返される回数、重要な子宮筋腫についての症状説明は後回しなど、これは特にひどいケースだった。

医学的に不可解な治療法

 20ページから4ページにわたり、『ブライダルチェックでわかった友人の例』として、渡辺氏が友人の体験を語っている。ここで不可解な点が次々と浮かび上がってきた。

 最初に板橋先生が首を傾げたのは、22ページの次の文章。

『見つかった筋腫の位置などから手術をするということではなく、投薬治療と様子をみる・・・という方法をとれたようでした。閉経後であれば、他の方法もあったのかもしれません』(原文から引用 下線は筆者による)

「第一に、投薬は手術を前提として筋腫を一時的に小さくするために使用するもので、投薬を単独の治療に用いることはまずありえません。女性ホルモンを抑えて筋腫を小さくするリュープリンなどの薬剤が半年間しか保険適応にならないのも、そうした理由からです。
 そこで、この投薬治療を“貧血など付随する症状への治療”と考えた場合、ここで書かれている『投薬治療と様子をみる』方法は、まさに閉経後の対処方法ともいえます。閉経後は卵胞ホルモンの分泌がなく、筋腫が成長しませんから。では『閉経後であれば他の方法が……』とは一体どんな方法なのか、全くわかりません」(板橋先生)

 これに続く文章も非常に理解し難いものとなっている。

『ブライダルチェックをうけたことで(中略)あらかじめ妊娠の可能性をふまえた「早期発見治療」ができたということにもなります』(原文から引用。下線は筆者による)

「これ、一体何の治療をしたんでしょう? 手術は行わず様子を見る、いわゆる経過観察を行っていたわけですよね? さらに意味不明なのが、『妊娠の可能性をふまえた治療』という点です。医学的に子宮筋腫と不妊の関係が「あるといえばある、ないといえばない」程度にしか解明されていないのに、病院に行った上で『妊娠の可能性をふまえた「早期発見治療」』とは?」(板橋先生)

結局、子宮筋腫のせいではなかった!?

 ここまで読み進めた上で、「そういえば」と前のページをあらためて開いた板橋先生が一言、「やっぱり! ここもおかしいですね」と次の点を指摘した。

『ブライダルチェックをうけたところ「子宮筋腫」ということがわかりました。(中略)思い起こすと自分がずっと生理がとても重かったということに気がつきました。毎月とても生理痛がひどく、とくに初日3 日はたっていることもできない。レバー状の塊がでたこともあるということでした。(中略)ときには頭痛や腰痛も伴い、出血もひどかったといいます。(中略)これは子宮筋腫の疑いがでる典型的なパターンです』(原文から引用)

「上記の内容のうち、本当に『子宮筋腫の疑いがでる典型的パターン』として考えられるのは、出血がひどい、いわゆる月経過多くらいです。何でもかんでも筋腫のせいにし過ぎです。
 逆に、『毎月とても生理痛がひどく』という場合、筋腫以外の子宮線筋症などの病気が併発や、筋腫のできている位置が粘膜下などのケースが考えられます。でも、病院で医師が検査して、他の病気があるとも言われず、筋腫の位置も手術を要する場所ではなかったわけですよね?
 一体何が原因だったかは書かれていないのでわかりませんが、少なくとも記述内容から考えて、生理時のさまざまな症状は筋腫が原因ではなかったのだろうと考えられます」(板橋先生)

 ということは、ここまでの友人の話を簡単にまとめると、

『ブライダルチェックで子宮筋腫が見つかった。そこで生理の際のいろいろな問題は子宮筋腫のせいかと思った。でも筋腫は大したことがなく(つまり筋腫のせいではなかった)、経過観察という処置をとった』

 ということになる。

子宮筋腫改善スタイルの真相

 ここまでの記述で、意味不明な文章が多々あるにせよ、要するに『友人の子宮筋腫は大した問題がなかった』ことが説明された。これ以降は渡辺氏が提唱する子宮筋腫改善術の記述がくる。まずは商材本文の抜粋をご覧いただきたい。

『あらかじめ妊娠の可能性をふまえた「早期発見治療」ができたということにもなります。
そして彼女は食生活にも気をつけるようにしました。
脂っこいものを避け、不用意に体をひやすようなたべものは極力控え気味に。
ごはんをきちんと3 食規則正しく食べます。(白米です)
そして、エネルギーが足りないとおもわれるときは添加物のはいっていないお菓子やあめを間食として1 日に3〜4回活用します。エネルギーの補給により、代謝をあげることで脳のメカニズムを整えてあげる食生活を心がけました。
なにより気をつけなければいけないことは、添加物の多いものはとらない
添加物のはいっているものはとらない、ということです。
ジャンクフード、飲み物など・・・今は添加物にあふれています。彼女は極力、そのようなものは避けるという方法をとりました。
そして3 年後に、彼女は妊娠することができました。
筋腫は気になるところにはならなかったようで、そのまま医師と連携して治療と出産準備をすすめていったようです』(原文まま引用 下線は筆者による)

 最初の下線以降、渡辺氏の改善術が始まる。何の前置きもなく唐突に始まっているのをわかっていただくために、原文のまま、先述した引用部分を再度用いる形をとってみた。

 食事についてのアドバイスのみである。これが販売サイトに書かれていた『カラダが求めている自然な状態に戻してあげる』ための方法、要するに『子宮筋腫改善スタイル』なのだろう。
途中の下線、『脳のメカニズム』うんぬんの部分は、自分と板橋先生で頭をひねってみたが、まったく意味不明であった。渡辺氏の持論はさらに続く。

『私がおもうのは、医師との連携した適切な治療も勿論ですが、彼女が食生活を見直して、生活習慣や知識を見直した結果が大きかったのではないか? とおもいます。
医療とのコラボと、自身の生活をきちんと見直し、食生活や生活習慣(たとえば喫煙、飲酒、冷え対策など)を換えることでより治療を有効的なものにして、筋腫を良性で小さいものにできたのだとおもいます』(原文まま引用 下線は筆者による)

 最初の下線はまさに典型的な持論・仮説である。ちゃんと『〜ないか?』と自分の説に疑問の余地も残している。
 だが、問題はそのあと。2つ目の下線について板橋先生が口を開いた。

「冒頭でも述べましたが子宮筋腫は全て良性の腫瘍ですから、まるで食生活を変えることで良性になったかのような表記は完全な誤りです。
 また、『小さいものにできた』という記述ですが、これは『食生活を変えたから小さいものにできた』と捉えていいんでしょうか? であれば、人体の仕組みから考えてありえないことといえます。筋腫は卵胞ホルモンが分泌されている限り成長し続けます。先述された食生活改善の内容を見たとき、これだけで卵胞ホルモンの体内合成が減少するとは到底思えません。逆に、本当に腫瘍が何の外科的治療も行わずに小さくなったのだとしたら、それこそホルモン分泌異常など内分泌系の疾患が疑われます」

 さらに、上記の引用に続けて以下の文章が続く。

『いかにわたしたちが出来ることとしての、生活のなかで気をつけること、その中でもレシピがどのくらい大切か? ということがわかります。
もし、いくら彼女が医師と連携して治療を続けていたとしてもたとえば毎日喫煙していたり、脂っこいものや体に悪い添加物の多いもの、体を冷やすようなもの、を好んで食べていたりしたら妊娠していたかどうか?(また妊娠しても、流産や早産の危険性があるのです)
確率的にも、不透明といわざるえないでしょう。
やはり、医療だけではなく自分達で出来る生活面からの、処方箋は大切な健康を得るための手段なのだ、ということが理解できます。
であるならば、 悩んでいる今の立場でも見直すべきところやわたしたちに出来る部分がある、症状改善の手助け(あるいは回復)もできるのだということがいえるでしょう』(原文まま引用 下線は筆者による)

 ほんの数行を経た文章が、急に断定的なトーンに変化している。子宮筋腫の改善と食生活改善の相関関係について、何一つ説得力のある話を語っていないにも関わらずに、である。

でっちあげ感溢れる記載の数々

 このページ以降は、食生活のアドバイス、料理のレシピ、呼吸法、ツボ、子宮筋腫ほか婦人科系疾患についての説明が続く。要約すれば、明らかに謝りを含んだ持論と仮説、さらに一般的な医学知識のみである。以下、あまりにも気になった点を挙げておく。

・レシピの紹介では、『体を冷やさないように』と書いておきながら、『よく摂りたい食品』に大豆、小豆、のり、わかめ、きゅうりなど寒性の食材が多数記載されている。

・ツボに関する表記が3ページあるが、位置の説明はおろか、探し方や押し方の表記は一切ない。ひざのお皿の内側脇から指4本分上にある「血海(けっかい)」というツボが太もも辺りに示されている。「ツボごっこ」をするにはピッタリかもしれない。

・誤字が多過ぎる。基本的に医学的見地からの検証という立場上、これまでの商材でも誤字脱字はあえて無視してきたが、これは限度を超えている。レシピでは手順・食材のヌケが多く、内容を検証する以前の問題。出版物としての体裁が整っていない。

販売サイト内表記と商品の整合性を検証すると……

『あなたが身体を正常に保つために知っておかなければならない6つの行動とは?』

明確な該当箇所なし。強いて挙げれば13ページの以下の5点が近い記述と思われる。
『脳の喜ぶ食事をとること(エネルギー源となるブドウ糖を中心とした食事)』
『脂分を極力少なくすること』
『栄養のバランスを考えて3 食きちんととること』
『間食もエネルギーの補給のためには大切。(但し何を食べるかが重要)』
『添加物のないものをとるようにすること』
 もっともらしい内容だが、これ対する理論も根拠も表記は一切ない。食事指導というにはあまりにお粗末である。

『婦人科系の病気によって影響が出る症状とは?』

明確な該当箇所なし。強いて挙げれば15ページの記述がこの内容ではないかと推測される。
『これらの婦人科系の症状で気になるところは、将来的にきちんと
妊娠、出産ができるのか?
またはがんなどの重大な病状に発展しないのか?
と漠然と不安に感じる方は多いのではないでしょうか。もちろん症状により
色々な原因や治療法はありますが、
ほとんどの女性が妊娠、出産に係わる可能性が高いという点でも
黙って見過ごせない点だと思います。
今は月経のことをあまり気にしていないけど、こんな感じで
将来子どもが産めるのかしら?とおもったり、人にはあまり言えない
悩みになるかもしれません。
実際出産とは女性にとって命がけの大変な作業であることは間違いありません。
また、これからずっと係わっていく大切な身体の一部である
子宮の役割についても、女性としてきちんと知っておく必要があると
おもいます』(原文まま改行も含め引用 下線は筆者による)

 執筆者自身が子宮筋腫を患い、いろいろ調べたのだから「妊娠・出産している人も大勢いる」「妊娠のしづらさは筋腫の位置がポイント」「筋腫は良性の腫瘍でがんにはならない」という事実を伝えれば済むはず。にも関わらす下線のような文言を散りばめ、かといって決して断言はせず、散々不安を煽った上で、最終的に『子宮の役割について知っておくべき』と、テーマをすり替える。文法的におかしな点を除けば、かなり考えられた『悪徳商材にふさわしい文章』だといえる。

『子宮に負担をかけるダイエットとその理由とは?』

該当表記なし。

『子宮の健康チェック あなたの子宮は元気ですか?

25ページから27ページにチェック項目が掲載されている。内容はほぼ正しいが、同様な表記の重複や、過多月経の項目に子宮筋腫が抜けているなど手落ちな点が含まれる。

『あなたを改善へと導くための柱となる3つの要素とは?』

明確な該当箇所なし。強いて挙げれば7ページの表記『普段の生活改善、自然な方法(漢方などを含む)、食生活』と推測される。この要素のうち、子宮筋腫改善に有効なエビデンスが存在するのは漢方薬のみ。だが、この商材に「漢方」という文字が登場したのは、このページのみ。具体的な漢方薬の紹介や説明はどこにも書かれていなかった

『食生活はあなたの身体を改善するために大切な要素です。』
『子宮筋腫で心がけるべき食事法とは?』

33ページの『10.食生活は大切です』という見出しから始まる部分では、食材から添加物を排泄させる方法が書かれている。これは非常にシンプルだ。なんせ、肉でも魚でも野菜でも『長時間水につける』『熱湯でゆでこぼす』だけなのだから。中でも人参は『たっぷりの水に5〜6時間水につけ、用途に合わせてさらに2時間つけ、たっぷりの湯でさっとゆで、さらに流水に30分さらす』そうだ。
「お肉を長時間水にですか? 何か不味くなりそうですね(笑)人参は8時間半もかかるんですか!? もうお料理どころじゃないですね(笑)」(板橋先生)
 思わず2人で思わず吹き出してしまったが、これで食材が解毒できる化学的な根拠は一切書かれていない。
 また、『肉や魚を水につけることで余分な脂肪分を出し』との表記があるが、脂肪は親油性のため、水につけても浸出することはない。この点は明らかな誤りである。

『深い呼吸で生活スタイルを変えてみよう…』

50ページから3ページ『簡単にできる! 元気になる呼吸法』で、血液循環や代謝がよくなるとする呼吸法が紹介されている(これについては「ダイエット篇」小内先生が解説した内容と同一のためこちらをご参照ください)。

『子宮筋腫・子宮内膜症の原因とその予防法とは?』

71、72ページに『主な原因』『その改善・ステップアドバイス』という項目がある。まず『主な原因』だが、『原因はよく分かっていません。ですが、免疫が深く関係していると考えられます』(原文まま引用)と下線部は正しく、以降は単なる仮説となっている。
 また、『その改善・ステップアドバイス』については、『(1) 脂っこいものを食べない(2) 3 食きちんと規則正しく食べる。(3) 主食(白米)をきちんと食べる。(4) 睡眠時間の確保。(5) 冷えないようにする。(6) ストレスをためない』とのこと。筋腫が改善する医学的根拠は一切ない。

『不妊に関わる原因にも注意しよう。』

75ページの『不妊について』という見出しから、不妊についての記述が12ページにもわたり紹介されている。内容は、改善策や改善レシピ以外は、ほぼ医学的にも正しいものであった。
 しかし……ツボや呼吸法など子宮筋腫改善を目的とした項目が2〜3ページなのに、不妊についてなぜここまで詳しく記述する必要があるのだろうか? 筆者としては、いたずらに不安材料を増やしているようにしか思えない。

総論

この商品(商材)は、

構成や文法、文字表記といった出版物として最低限必要な体裁が全く整っていない。
内容については、人体のメカニズムを無視したフレーズや、意図的に不安を煽る表現を多用して購買意識を駆り立てる販売サイトの流れを汲んだ前半部分で、根拠の無い持論・仮説を、さも意味があるように見せ、後半の子宮筋腫や子宮内膜症などの症状解説は、ほぼ正しいものといえる。

要するに、

前半で不適切な表現を用いたにも関わらず、後半はほぼ正しい説明がなされているため、通して読むと、つじつまの合わない矛盾した内容

と結論づけられる。

検証に協力頂いた専門医
板橋 香奈
関東労災病院 産婦人科医師

’03年筑波大学医学専門学群を卒業後、東京大学医学部女性診療科・産科/女性外科へ入局。
以降、東京日立病院、三楽病院勤務を経て、現在は関東労災病院産婦人科に勤務。
日本産婦人科学会専門医。日本産婦人科内視鏡学会員。専門は産婦人科一般。

板橋先生が語る「子宮筋腫の正しい理解」

 子宮筋腫に対する不安や誤解の大きな要因は、内科的な根本的治療法がないこと、さらに起こる症状が明確に定義されていないことだと思われます。今回の商材中でも、子宮筋腫が、まるで「諸悪の根源」のような表記がありましたが、基本的には過多月経(出血過多)とそれに伴う貧血、筋腫が大きくなった場合の腹部膨満くらいです。逆に月経痛がひどい場合は、子宮内膜症や子宮線筋症など他の病気によるケースも多いといえます。

取材・文 岩井浩(医療ジャーナリスト)

<本サイトにおける用語について>

情報商材(情報教材)は、その名称がマスコミ報道や国民生活センターなどの注意喚起によって詐欺的な問題商法として周知されたのを受け、関係事業者はダウンロード販売、インターネット出版、オンライン出版、オンライン教材、オンライン通販、電子書籍、電子出版、ebook(イーブック)、情報販売、情報起業 等の呼称に変更していますが、当サイトでは、用語を「情報商材」に統一いたします。

また、情報商材を制作している者は、販売者でもありますが、情報商材販売モールが実際の販売実務の中心を担っているため、本サイトでは、敢えて販売者とはせず、情報商材制作業者と表記いたしました。また、情報商材業界では、情報商材制作業者のことを「インフォプレナー」と通称しますが、一般的ではないので、本サイトでは用語として使用していません。

※誇大広告や虚偽広告に基づいて購入した情報商材の解約・申込み取消し・返品・返金の要求は情報商材制作業者のみならず、情報商材販売モールに対して行うことが有効と考えられます。クレジットカードで購入した場合は、カード裏面に記載のカード会社の電話番号へ連絡し、騙された情報商材の代金のみの引き落としをしないよう要請し、国民生活センター  (03-3446-0999)または全国の消費生活センターへ相談し、相談員の指示に従って被害回復を図ってください。

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