コンピュータが生活の隅々まで行き渡り、それらがネットワークで結ばれている現代。社会の安定や企業の信用を脅かすという点で、サイバー犯罪はいまや現実世界での犯罪以上に厄介な代物だ。証拠を消し、姿を隠すサイバー犯罪者たちを追跡する技術の確立は急務と言って良いだろう。刑事訴訟法の専門家であり、デジタル・フォレンジック研究会副会長の安冨潔氏にデジタルデータの証拠保全技術について聞いた。
安冨 潔(やすとみ きよし)
慶應義塾大学大学院法務研究科(法科大学院)・法学部教授。1979年、慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程公法学専攻単位取得退学。1990年、慶應義塾大学法学部教授。2004年より現職。NPOデジタル・フォレンジック研究会副会長も務める。
インタビュー・構成・文
宮島 理(みやじま ただし)
宮島 理(みやじま ただし)
1975年生まれ。山形出身の大阪育ち。現在は関東在住。東京理科大学理学部物理学科中退後、IT系企業設立を経て1996年、フリーライターに。ホームページはhttp://miyajima.ne.jp/。